轟2


対応機種 PC-9801 VM/UV以降
価格 12800円
発売年度 1992年
備考 HDD非対応 I.Oバンク方式増設メモリ対応


紹介
」の第二弾です。
太平洋戦争の全期間を扱った戦略級シミュレーションゲームです。
プレイヤーは日本軍を受け持ち、連合軍と講和を果たすことを目的としています。


内容説明
一作目同様、グラフィックの美しさが抜群。
一作目同様、BGMのセンスも最高。
一作目同様、これでゲーム内容が伴えば・・・という作品です。終わり。


一作目同様、本当はここで解説を止めたいのですが、このゲームをプレイしたからには、たとえ復活に600万ドルかかろうとも、語らねばならぬという使命を帯びることになってしまうんですな、これが。


さて、何から語って良いものやら。。。(悩)
とにかく、問題のダメダメゲーム「」と比べて、どれだけダメさが取れているかです。


まず、補給・生産について。。。

オープニングの中でこんな文言が画面に並びます。
「今後、一切の民需を廃し、全工業力を軍需に充てよ」
そしてその後、艦艇・航空機の製造中の画像が出ます。
このことからもわかるように、今回の作品は、非常に生産力を重視した作りです。

ゲームでも、戦術輸送用の輸送船と物資還送用の輸送船とをわざわざ分けて扱うなど、極めて意欲的な取り組み姿勢を見せています。
いい姿勢ですね。
さしもの「太平洋の嵐」「太平洋戦記」ですら、ここまで徹底した分け方はしていません。

というわけで補給・生産については、一作目の「穴」同然の扱いから、「売り」と言えるほど重要視されることになってしまいました。
こんな言葉をご存知でしょう。
「はじめの半年や1年は存分に暴れてご覧に入れる。しかし、2年、3年となると全く責任が持てない」
山本五十六連合艦隊司令長官の吐いた、有名過ぎるほど有名な言葉です。
ところがこの作品では、南雲機動部隊が全力で行動すると、まずもって燃料は半年もちません。
下手をすると、1942年の2月辺りで日本の燃料が払底してしまうのです。
特に戦術輸送船がヒドく、燃料バカ食いしてしまってどうしようもありません。

日本の厳しい資源事情を表現したいのはよくわかるのですが、いかんせん、南方資源地帯を占領して補給路が正常になった後でも、艦隊の行動に非常な制限を受けるほどの扱いというのは、ちょっと。。。
ほとんど、プレーヤーを苦しませるためだけの設定としか見えないほどです。

もちょっとなんとかせーよ。。。(-_-#


次に、敵艦隊の動向。。。
一作目のこともあるので、あまり期待せずにプレーを進めていくと、1942年初頭でしたか、「敵艦隊発見」の報が入電。
見れば、クェゼリンに複数の空母を主体とした敵艦隊。
しかし南雲機動部隊は既に内地方面に引き上げており、咄嗟に迎撃に出せる艦隊は貧弱な六戦隊を中心とする水上部隊のみで、出撃させれば自殺行為、そこで出撃取りやめ。
頼みの航空部隊は、フィリピンや南方資源地帯攻略戦に回っており、クェゼリンにはほんのわずかな機数のみ。これでは敵空母を撃破することは不可能。
しかも悪いことに敵艦隊は輸送船同伴!
これは・・・クェゼリン陥落・・・。
がっくり来て、トラック方面の防備を固めるべく、機体の手配やらなにやらを考えていると。

・・・・・・帰って行く?

そう、圧倒的に優勢な米艦隊は、爆撃もせず、艦砲射撃もせず、もちろん上陸もせず、帰っていったのです!
ををっ?!
こ、これは、まさか?! まさか、まさか、ま〜さ〜こ〜っ!!(C)竜之介の親父
ゲームを更に進めていくと、確かに時々、連合軍の艦隊が太平洋の各地に出没する。
出没するには、する。
しかも戦艦6隻だとか空母3隻だとかを基幹とした、強力な艦隊が、である。
その数も時を経るに連れて、次第に増えていく。一作目と違ってちゃんと新規に建造しているようだ。
しかし、そのいずれもが、何もせずに帰っていくのだ!

轟2ヨ、オマヘモカ・・・(T_T)


評点
操作系 キーボードだけでも操作は可能ですが、マウスがあった方が便利でしょう。
操作性は、特に可もなく不可もなく。
・・・しかし、マニュアルを見なくてもすんなり操作できるって、実はすごいことなんじゃないかと、そう思いませんか?
★★★
グラフィック 一作目に引き続き、色使いは特筆ものです。
セピア色の使い方が巧いですね。
全く、脱帽です。
なぜこのこだわりが他の方面に向かないのか、不思議でなりません。
★★★★★
音楽 やはり一作目に引き続き、いいセンスしてます。
あとは曲の好みの差ですね。
一作目と本作、皆さんはどちらがお好みでしょうか?
★★★★★
オープニング 兵器が主体だった一作目のオープニングとは異なり、今回は人物・歴史主体のドラマ仕立てで来ました。

南雲長官の肖像画が現れ、こう文字が並ぶ。
「我が艦隊は、太平洋の覇者となった」

むうっ、渋いぞ!
空母の姿はなくとも、その背に堂々たる無敵艦隊の威容が浮かぶような台詞ではありませんか!
本当に、プレイヤーにやる気を起こさせるオープニングです!
でも、やったら後悔するけど。。。(T_T)

★★★★★
資料価値 全くなし。
ただ、「詳しく知りたい方は、専門資料を参照してください」とマニュアルにあることから、もともと資料価値を持たせる意図はないようです。
知ったかぶりして、適当なデータを並べ立てただけの資料を添付されるよりは、余程マシでしょう。
その意味では、良心的です。
難易度 なんか、戦争ゲームというよりは、経営ゲームに近いものがあります。
少ない資源をやりくりしながら如何に戦い抜くか、これが目的のように思えます。
とすると、やけに厳しく設定された資源ルールが、難易度の評価対象になるでしょう。
その意味では、「太平洋の嵐」や「太平洋戦記」ほどではないにしても、結構難易度は高いと思います。
もっとも、戦闘がないので、ウォー・シミュレーション・ゲームとしては、それ以前のハナシのような気もしないでもないですが。。。
★★★
総評 グラフィックの美麗さとBGMの秀逸さという点においては、一作目同様、他の追随を許しません。
ゲーム性の壊滅度という分野では、一作目ほど見事な玉砕ぶりではありませんが、間違いなくその直系の子孫であることがよくわかる出来です。
鑑賞用ソフト、これやはりそういったソフトです。
二作目だから、それほど取り乱しません。
覚悟して買っているはずです。。。

でも、涙が出ちゃう(T_T) (C)アタックNo.1

★★

「轟2」は、株式会社 ウルフ・チームの著作物です。


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